9月12日(木)

今日はマチネで札幌『レ・ミゼラブル』を観劇。

 

佐藤隆紀バルジャンを初めて見た。

以前『マリーアントワネット』を見たときに、素晴らしい歌声であり存在感があったため、バルジャンも大変期待していた。期待通り素晴らしい澄んだ歌声で熱演していた。

感情が高まって高音になるところは、意外と音ができきってなかったが、未完成な様子が他の二人のバルジャンと違って、バルジャンの迷っている性格に合っていて良い方向に進んでいたと思う。

裁判の場「24653〜」は吉原バルジャンだけが3の時に高音、後の二人が下に下がる。

 

伊礼彼方のジャベールも初見だったが、昨日の上原理生と違って原曲のピッチにあった歌声で、とても聞きやすく安心できるジャベールだった。「星よ」「自殺」ともにとても聞きどころにあるシーンにしており素晴らしい。

 

昨日書きそびれたが、相葉祐樹のアンジョルラスが一昨年と比べ非常に上達しており、成長が感じられ微笑ましい。セカンドアタック「自由を〜」の音が出ないのか、絶叫していたがシーンに助けられ、逆に良い感じになっていた。

 

昨日、プログラムで「バルジャンはマリウスを殺すためにバリケードに向かったのかもしれない」と読み、その気持ちで感激してみるととても面白かった。

どの瞬間でマリウスに心を開き、「彼を帰して」を歌うのか、考える余地のある素晴らしい解釈だと感じる。またプログラムで、上原理生が「「彼を帰して」で、この作品初めて綺麗に一オクターブ跳躍するため、この瞬間にバルジャンは神と一体化した」と書いてあり、あのバリケードのシーンはとても深いシーンとして改めて見ることができた。

 

全体的に、私が見慣れてきたからか歌詞が聞きなすくなり、物語重視の演出に変わった気がする。遠くの席から見ているからか、全体的にシンプルな構造になった気がして、とても好きな演出になった。