9月9日(月)

今日は、午前中、家で『王女メディア』の映像を見る。

蜷川幸雄演出、メディア役を平幹二朗で、ギリシャで上演したものの映像である。

 

メディアを男性である平が演じることでアングラ的な雰囲気があり、さらにギリシャの野外劇場に、日本的な神社のセットを組むことで、うまく東西の文化を折衷していると感じられる。

ただ蜷川演出のものを映像で見ると、こちら側との熱量の違いからつまらなく感じてしまう点が多くある。今回の上演もそう感じてしまった。

ただ、メディアの子殺しについては面白いと感じ、西洋は「罪」「罰」「復讐」というシステムが成り立っておりそれらが含まれていると、「ドラマ」性を感じる一方で、日本は「自己犠牲」による被害にドラマを感じるのだと思う。

そのため歌舞伎「寺子屋」に代表されるような、日本的な子殺しとはまったく違う意味合いを感じる。

 

その後はNTLive『リチャード二世』を見に行く予定だったが、台風で電車が大変なことになっているということで、早めに成田空港へ向かう。

その途中で映画「市民ケーン」を鑑賞。

 

プロットの作り方、コンパクトさが秀逸でやはり素晴らしい作品。

アメリカらしいアメリカ映画、といったところ。

ただアメリカらしい分かりやすさがかなり感じられ、少しくどく感じられてしまう点もある。それを踏まえてもオーソン・ウェルズのプロデュース力、演技は必見だった。

 

その後、「新・映像の世紀第二次世界大戦」を見る。

連合軍が、ドイツ人に収容所(?)かユダヤ人・戦犯の死体置き場を見せる映像は圧倒的だった。ドイツ人は「知らなかった」とショッキングな反応をするが、彼らは「知っていた」という評論家の主張が記憶に残る。

素晴らしい映像がたくさんあったが、この最後の映像が衝撃的でそれしか記憶にない。